コラム

花布先生Mr.huabu~陳秉璿さん~

台湾の伝統的な布の柄といえば鮮やかな色彩が目をひく「客家花布」です。富貴を意味する牡丹の花を中心として、四季折々の花たちが鮮やかな生地にプリントされています。

「客家花布 」は、かつての客家集落のいたるところで見られ台湾人の日常生活を静かに飾っていました。しかし「客家花布 」が象徴するものは祖母の掛け布団、母のハンカチ、子供の胸当て、客家の茶摘み娘の帽子に結ばれたスカーフななど、古臭いと言われ長い間放置されていた時期もありました。

服飾デザイナーの陳秉璿さんは、大人になってから、客家花布は色彩豊かな牡丹模様で、富と華やかさを象徴する美しいものであることに気づかされたそうです。そして新たなデザインと工夫、丁寧な仕上げをすることで、客家花布に新しい息吹を吹き込みました。
今や台湾のお土産といえば「台湾花柄のバッグやポーチ」と言われるほど、台湾好きな日本人の中でも人気を博しています。

陳さんが手がけるブランド「花布先生」のお店は乾物やレトロ雑貨が有名な台北迪化街の一角にあります。迪化街にある永楽市場には布市場があり多くの花布が並んでいます。


花布先生の作品は伝統的な花柄を使ったものや新たにデザインされた新しいスタイルの花柄など多様にあります。また台湾の花柄の特徴は柄がほぼ繰り返さないことです。パッと見れば似たような花柄なのですが構成、色などにより異なる花柄になります。このような生地を使った作品はカットした場所や作品のサイズによって、同じ生地で作っても似た雰囲気の全く表情の違う一点物の作品になります。

台湾文化のひとつである「花布」をつかった台湾ならでは布雑貨。台湾らしい華やかさと、明るさを愉しめる品々です。

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