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完熟と追熟が生むフルーツのようなかぼちゃ「バターナッツ」を広めたい【ひとつぶの種】~依田淳子さん~
バターナッツという野菜をご存じでしょうか。
ひょうたんのような形をした、淡いオレンジ色のかぼちゃ。アメリカ原産で、甘みがありながらもクセがなく、なめらかな食感が特徴の、まだ日本では珍しいかぼちゃです。
「まずは、これを食べてみてください。」そう言って依田さんが出してくれたのは、水で煮だだけのバターナッツ。ひと口食べて、思わず駅きました。砂糖は一切入っていないのに、まるで完熟したフルーツを食べているかのような、すっきりとした後味。かぼちゃ特有の重さはなく、すっと口の中でとけていきます。「バターのように濃厚で、ナッツのように香ばしいのかな?と思われがちなんですが、実際は全然違うんです」そう笑う依田さん。この“予想を裏切るおいしさ”こそが、バターナッツの魅力なのかもしれません。

すべては、友人からもらった一つのかぼちゃから
依田さんが初めてバターナッツを知ったのは、13年前。友人から譲り受けたのがきっかけでした。もともと野菜づくりが好きで、当時はフルタイムで働きながら、土日に畔に立つのが何よりの楽しみ。特に「自分で種を採り、翔年につなげていく」ことに喜びを感じていたそうです。
バターナッツも同じように種を保存し、翔年植えてみたところ、見事に成功。「佐久の土地に合っていたんでしょうね。暑さや寒さにも負けず、たくさん肥料を使わなくても、太陽の光をたっぷり浴びて元気に育ってくれるんです」
ほとんど自然栅培に近い環境で、苗の時期に一度だけ消毒を行うほかは、化学肥料を一切使わず、有機肥料のみで育て上げる。そんな依田さんの感情をたっぷり注がれたバターナッツは、13年の歳月を経て、依田さんの畔に欠かせない「宝物」となりました。

「私にできることは何だろう?」から生まれた加工品
転機となったのは、昨年。松木さん(まつのき農)と出会い、ミニトマトジュースを加工・販売している話を聞いたときでした。「じゃあ、私は何ができるだろう?」その答えとして自然に浮かんだのが、バターナッツでした。すぐに加工業者へ相談し、試作をスタート。最初は砂糖とバターだけのシンプルな味でしたが、「もう一歩、心に残る味にしたい」と試行錯誤を重ね、ブランデーを加えることで、コクと香りに奥行きを持たせたオリジナルのジャムが完成しました。ドレッシングにはクリームチーズを加え、濃厚さを出しつつ、りんご酢で後味をすっきりと。

体調を崩したからこそ、気づいた「食の力」
実は依田さん、10年ほど前に体調を崩した経験があります。栄養素が体にどう影響するのかを学んでいく中で、「食が体を作る」という大切な事実に改めて気づかされたと言います。「バターナッツは、β-カロテンやビタミンA・E、食物繊維が豊富。自分や家族、そして手に取ってくれる方の健康を支える、最高級の素材なんです」

家族と仲間に支えられて、ここまで来た
「正直、自分ひとりでは、ここまで来られなかったと思います。みんなの助けがあったからこそ、この一歩を踏み出せたんです」と、依田さんは感謝の言葉を口にします。
宣伝のために始めたInstagram(@hitotsubunotane.52)は、次男さんに教わりながら、日々の農作業の様子を発信。たくさんの人の想いが重なって生まれた商品だからこそ、どこかあたたかく、やさしい雰囲気を感じるのかもしれません。

味へのこだわりは、畔から始まっている
一つひとつ状態を確認し、完熟したものだけを収穫。さらに一定期間追熟させることで、甘みを最大限に引き出しています。「カボチャ特有のくせがないので、カボチャが苦手なお子様にもぜび食べてほしい」と語る依田さんに、おすすめの食べ方を教わりました。
- ジャム:ヨーグルトはもちろん、クラッカーに生クリームやクリームチーズと一緒にのせて。ナッツやドライフルーツをトッピングすると、さらに豊沢なスイーツに。
- ドレッシング:サラダはもちろん、野菜ディップや、シーザーサラダ風に。魚介や鶏肉との相性もよいのでソースとして使うのもおススメ。

最後に、依田さんからのメッセージ
「佐久市の長い日照時間が育んだ、栄養価たっぷりのバターナッツです。完熟を見極め、さらに追熟させて甘みを最大限に引き出した自信作。まずは一度食べてみて、その魅力を知っていただけたら嫌しいです。かぼちゃが苦手な方でも食べやすい、甘みが強く、クセのないバターナッツ。依田さんの優しいお人柄がそのまま味になったような、温もりのある黄金色のバターナッツ。ぜび一度、その味を体験してみてください。」
文:臼田美穂
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