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【UNIGAZE 慢火金工創作室】~ Wan-Chun Liao さん~
/ 火と時間のあわいで、ものづくりを探る /
「慢火(スローファイア)」は、溶接への尽きない愛着から生まれました。「UNIGAZE」は、一点を見つめ続ける集中のまなざしを表しています。
大学で金工に出会ってから十余年。金属を創作の言語として、火と時間のあわいに素材の可能性を探っています。自然のイメージに着想を得て、伝統工芸の技法を現代の表現へと昇華させ、素材そのものの素朴な質感や痕跡を大切に残すことで、ここにしかない素材の美を育んでいます。ひとつひとつの作品は、モノであると同時に、感覚と日常をつなぐ媒介でもあります。

/ 金工との出会い /
金工には数千年の歴史があります。人類は早くから、火の力で金属の姿を変える術を知り、この古い技は今日まで受け継がれてきました。父の鉄工所の記憶を胸に、冷たく、硬く、頑ななものと思われがちな金属が、炎の中では柔らかさとしなやかな伸びを秘めていることを知りました。おそらくその意外な落差こそが、私を金工の世界へ深く引き込んだのだと思います。

金属と向き合いながら、素材そのものが持つ美しさと可能性を掘り起こしていきます。高温のなかで異なる金属が流れ、溶け合う。その過程で、手仕事の技と素材の偶然性が作品の魂になります。どの作品にも手仕事ならではの痕跡が残り、機械で大量に複製することはできません。
それでも私は、この「わからなさ」が好きです。計画のない旅のように、すべてが面白くなるからです。

私の着想の源は、日々の暮らしにあります。人の営みと自然の風景が交わったあとに残る痕跡を観察するのが好きです。たとえば、葉脈の紋理、潜葉虫(ハモグリムシ)が食べ進めた道筋、時代の移ろいを経た建物の廃墟、樹皮や幹、あるいは樹液の質感や流れた跡など。一見ありふれていて見過ごされがちな細部こそ、私がいちばん残したいものです。
そうした痕跡を小さな縮図へと凝縮し、金属によるスケッチのように作品へと昇華させます。ときには日本庭園の枯山水のように、ごくわずかな要素でより深い情景を伝えることもあります。時の風雪を経た破片のような痕、欠け、余白もまた、作品の大切な一部です。完璧である必要はありません。ひび割れや摩耗、不完全さがあるからこそ、ものは自らの物語を持ち始めるのです。

/ 作品とともに旅をする /
創作を続けてきた道のりのなかで、作品とともに世界各地を旅してきました。フランス・パリの「Maison & Objet」、ドイツ・バイエルン手工芸協会、中国・浙江美術館、マカオ・塔石藝墟などで作品を展示。また、ドイツの「BKV-PRIZE」を受賞し、「伊丹国際クラフト展」には二度入選しました。台湾では「TJDMA国際金工コンペティション」で第2位、「台東工芸賞」で佳作に選ばれています。

私にとって、これらの展覧会や受賞は、単なる経歴の記録ではありません。作品を携えてアトリエを離れ、世界と対話してみるための契機でした。次の目的地で、どこかでお会いできるかもしれません。
國立臺灣工藝研究發展中心(@ntcri_ntcri)分享的貼文
/ 創作は日常、日常は創作 /
自分自身の制作に加えて、金工の体験をもっと多くの方の日常にお届けしたいと考えています。工房では不定期に、金工体験や専門講座を開催しています。金属が炎と道具、そして両手のあいだで少しずつかたちになっていく過程を、ご自身の手で感じていただき、創作と交流のなかで新たな可能性を見つけていただければ幸いです。

/ 創作は、シンプルにも、複雑にもなれる /
私にとって創作とは、続いていく一つの過程です。人生の歩みや時代の移ろいとともに、何度も咀嚼し、変化させ、また新しい火花を生み出していきます。ひとつの段階の終わりは、次の段階のはじまりでもあります。これからも制作を続け、暮らしのなかの見過ごされがちな細部を感じ取っていきたいと思います。火と時間のあわいで、ゆっくりと次の作品の原型を探していきます。
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