コラム

有機農業を30年以上続けている【たくみの】~代表・由井拓実さん~

八ヶ岳連峰の北端、蓼科山の北嶺、標高1000mの高原に位置する佐久市長者原地区。そこで有機農業を30年以上続けられている「たくみの」さん。今回は、代表の由井拓実さんにお話を伺いました。

青空が近く感じられる標高の高い農園で育つ野菜たち

はじめに、先代の「ゆい自然農園」から現在の「たくみの」になるまでの経緯を伺いました。「うちは、元々は慣行農業(厳密な定義はありませんが、、農薬や化学肥料を栽培に応じて相当数投入・散布を行う一般的な農法と認識されています。)だったんです。有機農業へ転換するきっかけは母の存在です。有吉佐和子さんの「複合汚染」という本を読んで、前から有機農業をやりたいという想いが母にあり、1988年に思い切って有機農業に転換しました。」

農家で生まれ育った由井さんは、いつ農家を継ぐことをきめたのでしょうか?
「小さい頃から手伝いをしていましたが、初めから継ぐつもりはなく、海外で医療に携わりたいという想いから看護師になりました。最終的に海外の医療現場にという夢は諦めましたが、そのまま実家の有機農業を終わらせては…と思い、実家に戻り農業に携わることにしました。実家に戻ってしばらくは、農家が看護師と比べてお客さんとの距離が遠く感じ、直接人と関わり合える老人ホームのアルバイトを隙間時間にしていました。ですが、当時研修生として来ていた妻・まな美との結婚も後押しし(まな美さんから「老人ホームを辞めなかったら結婚の話はなかったことに。」と言われたとのこと!!)、2010年に本格的に農家を継ぐ決意をしました。」その後、由井さんは先代からただ引き継ぐだけでなく、自分で責任をもてるようにと、2021年に農園名を「たくみの」に変え、2022年には「合同会社のの.」の一部門として法人化したそうです。趣味のパソコンを活かし、パソコン修理なども請け負っており、幅広い活動をされている由井さん。今後の展開も楽しみですね!

次に、「たくみの」の野菜に込められた想いを伺いました。「うちの野菜を食べてもらって、その人がその人らしい生活を送る、その手助けになればと思って野菜作りをしています。また、都会のお客さんが多いので、田舎の自然を感じて少しでも癒されてもらいたいと、野菜と一緒に送る便りに田舎の自然を感じられるエピソードを載せたり、Instagram(@takumino_heart)にも田舎の風景を投稿したりしています。」コロナ前は、ネギ植え、サツマイモ掘り、草取りなどの農作業の体験や交流ができる催しを開催していたとのこと。実際にお客さんと交流することで、お客さんの声を聞くことができたそうです。中にはプライベートで手伝いに来てくださるお客さんも!「現在はメールでのやりとりが主ですが、『野菜がすごくおいしい』などの感想をもらえることがとてもうれしいです。」

仲間との味噌づくりの様子

「野菜作りは、温暖化により気候が変わりつつあり、虫や病気が増えてきて栽培が難しくなっています。また、有機農家さんの就農が増えたことや大手企業の参入もあり、競争が激しくなりつつもあります。自分たちの農場から巣立った研修生たちもいるのでうれしいことでもあるのですが。」

そんな現状を踏まえてたくみのさんがホームページのリニューアルと共に取り組み始めたのが、「野菜の直接受け取り」の拡大です。「お客さんの顔を見てやりとりができますし、配送料もかからないのでお互いに良さがあります。佐久地域は移住の方も増えてきているので、ぜひ利用してもらえたらと思っています。」まさに”地産地消”ですね。

SNSなどで田舎の自然の豊かさも発信されています

また、奥さんのまな美さんは、『manamino』という食堂で「たくみの」の野菜や望月の鹿肉などの地元のおいしい食材を使った料理を提供しています。「”たくみのサラダ”という「たくみの」の野菜が大盛りのサラダがお勧めです。ぜひみなさんに気軽に味わっていただきたいです。」

色鮮やかな野菜から美味しい料理が生まれます。

最後に、お客様へのメッセージを伺いました。「みなさんの普段の生活の支えとなりたいという想いがやっぱり一番です。そして、お便りやInstagramを通して田舎の雰囲気を感じていただき、それがすこしでも癒しになればと願っています。」野菜作りを通してお客さんとの関わり合いをとても大切にされている由井さん。ぜひ、「たくみの」さんの愛情がたっぷり詰まったお野菜をご賞味ください!

旬の野菜がたっぷり入ったセットがご家庭に届きます。

文:松本菜穂

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